都道府県別“お酒が強いか弱いか”ランキング

  • 2016.02.07 Sunday
  • 08:30


アメリカのシカゴ大学などが行なった、陽電子放出断層撮影によるアルコールの臨床研究によれば、アルコールを飲むと、大脳辺縁系に3種類の反応が現れることが分かったという。大脳辺縁系は、食欲、性欲、睡眠欲、意欲などの本能、情緒、夢、記憶や自律神経の活動に深く関わっている重要な部分である。研究の結果、大脳辺縁系が反応して陽気になる人、大脳辺縁系に反応せずに気分が沈む人、その中間で雰囲気によって酒をうまく感じたり、まずく感じたりする人に分かれたという。

世の中には、底なしの酒豪もいれば、おちょこ1杯で顔が真っ赤になる人もいるが、それは、アルコールがアルコール脱水素酵素(ADH)によって有害なアセトアルデヒド(CH3CHO)になり、アセトアルデヒドは、アセトアルデヒド分解酵素(ALDH)によって無害な酢酸(CH3COOH)に分解されるからである。ALDHという酵素には、ALDH1とALDH2の2種類があり、アセトアルデヒドを主に分解するのはALDH2の方で、ALDH2の働きが強い人は、アセトアルデヒドを分解する速度が速く、アルコールへの耐性が高いので酒が強い人に分類される。反対に、ALDH2の働きが弱い人は、アセトアルデヒドの分解速度が遅く、アルコールへの耐性が低いので酒が弱い人に分類される。

ALDHという酵素は、20種類あるアミノ酸がつながったタンパク質で、ALDHのアミノ酸がどのような配列になるかを決めているのは、遺伝子である。ALDH2は534個のアミノ酸から出来ているが、ALDH2の504番目のアミノ酸はグルタミン酸になっている。ところが、ALDH2の働きが弱い人、つまり酒が弱い人は、ALDH2の504番目のアミノ酸がリジンになっているという。ALDH2の働きが、人によって強かったり弱かったりするのは、わずか1個のアミノ酸の配列の違いで、酒が強いか弱いかの分かれ目になるという研究結果だが、実に不思議な話である。

この研究から、日本人は欧米人に比べて、酒が弱いことがわかる。酒が強い人種をALDH2活性型といい、酒が弱い人種をALDH2低活性型というが、欧米人は体格や肝臓が相対的に大きく、少量の飲酒後に顔面が紅潮したり、動悸・頭痛が起きるフラッシング反応が小さいので、酒が強いALDH2活性型に分類される。一方、日本人のおよそ半数は、体格や肝臓のハンディがあり、フラッシング反応も大きいALDH2低活性型に分類されるので、欧米人に比べて日本人の方が酒に弱いことになるが、日本人でも、酒が強いか弱いかの地域差がある。

筑波大学の原田勝二教授らによるALDH2活性型の研究により、下の表に示す通り、都道府県別にお酒に強いか弱いかのランキングが発表されている。これはあくまで「お酒に強い遺伝子を持って生まれてくる確率」のランキングであり、「大酒飲みの人が多い県のランキング」ではく、“飲んでも潰れにくい人” “飲もうと思えば結構飲める人”が生まれてくる確率が高いですよ、という意味である。

酒が強いベスト3は、秋田県、岩手県、鹿児島県、酒が弱いベスト3は、三重県、愛知県、石川県で、特徴として、中部、近畿、中国地区は下戸が多く、
中部、近畿、中国地区から離れるほど酒豪が多くなる傾向が見られる。酒が強いか弱いかは、先祖代々、遺伝による生まれつきの体質が決めている。貴方の知り合いの酒豪や下戸は、何県出身の方ですか?ランキングと一致しているかどうか、チェックしてみるのも面白いが、自分は、上戸なのか下戸なのか、自分の体質をよく知り、うまい料理を肴に、愉しく酒を味わいたいものである。

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