日本最古の酒蔵がある都道府県は茨城県ではない!

  • 2015.02.11 Wednesday
  • 14:37


昨年5月の「多酒創論」で、筆者が監修者となり、2014年5月1日発売の「週刊朝日」に新しく1年間続く「純米礼賛」という巻末グラビア特集の連載が始まり、第1回目は、日本で初めて全量純米化したことで知られる埼玉県の神亀酒造株式会社を掲載したことを書いたが、その後、昨年末には「獺祭」の旭酒造を掲載、2015年2月10日発行の「純米礼賛」には第40回目として福井県の吉田金右衛門商店を掲載、4月まであと10回程度続く予定である。昨年12月には、第33回目として茨城県で代表銘柄「郷乃譽」を醸造している全量純米蔵の須藤本家株式会社を掲載したが、同社を掲載するにあたっての取材過程で新事実を知る機会を得た。日本酒業界では、以前から、須藤本家株式会社の創業が平安時代の1141年(874年前)であることから、同社が「日本最古の酒蔵」として知られてきたが、同社の須藤源右衛門社長は、それを否定、「当社ではなく奈良県の酒蔵だ」と発言、「純米礼賛」の紹介文には「日本最古の酒蔵という記述はしないでほしい」との申入れがあったので、意向通り記載しなかった経緯がある。


上の画像は、加藤忠一氏の著書・淡彩スケッチで描く「関東の酒蔵二百十七景」から引用させていただきました。

その後、須藤社長が名指しした奈良県の酒蔵を調べてみたところ、その蔵のホームページには、「寛保2年(1742年)に第五代当主が当時三輪山・大御輪寺の本尊であった国宝十一面観音に天蓋を寄贈しました」と書いてあるだけで、創業年の記載がなかったことから最古である確証が得られなかった。第五代当主が1742年に存命していたとすれば、初代は、1500年前後と考えられ、須藤本家の創業1141年より後と考えられる。しかし、日本酒の歴史から考察しても、平安時代初期に編纂された「延喜式」(えんぎしき)に書かれている「米」、「麹」、「水」で酒を仕込む方法や中世の寺院で醸造され、当時、高い評価を受けていた「僧坊酒」などがあり、高野山の「天野酒」や奈良、平城の「菩提泉」がとくに有名であったことから、「日本最古の酒蔵」は、奈良県にあったと言われれば納得できる。今、インターネットを検索しても、多くのサイトが「日本最古の酒蔵は、茨城県の須藤本家」だと書いているが、同社の須藤社長本人が「当社ではない」と否定し、「奈良県の酒蔵」だと釈明しているので、同社ではないないことは確かである。こうした「日本最古の酒蔵はどこか?」に関して、雑誌「dancyu」が、2015年3月号に掲載している「日本酒検定」60問の中の第46問目に、「日本最古の酒蔵がある都道府県はどこか?」という問題を出題、奈良県、茨城県、兵庫県、新潟県などから正解を選ぶようになっている。「dancyu」は、「日本最古の歴史を持つ蔵元は、茨城県にある須藤本家で、あまりに古いため創業年は不明。1141年に酒造りが行なわれていたことだけが確認されているそうです」として茨城県を正解としているが、これは前述の通り間違いである。正解を選ぶとすれば、奈良県になるが、確たる証拠が無いので、こうした問題を日本酒検定に出題するのは妥当ではない。
dancyuの「日本酒検定」は、下のアドレスにアクセスすれば、試すことが出来る。
http://dancyu.president.co.jp/kentei/
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