女性杜氏は、名刺に肩書きを載せたがらない

  • 2011.12.28 Wednesday
  • 18:07
以前から不思議に思っていたことがある。10数年前から、全国の酒蔵に女性の杜氏が増え、現在、その数30名前後と推定されるが、その多くが自分の名刺に「杜氏」の肩書きを載せていないことである。筆者の知る限り、名刺にきちんと「杜氏」と書いている女性は、数人しかいない。なぜ、書かないのか不明だが、書きたくない理由は、なんとなくわかるような気がする。古来、酒造りは男の仕事であり、女人禁制の世界であったことから、おそらく、そうした規律や風習に対する「遠慮」や「おこがましさ」を感じているのではないだろうか。今や、酒造りの仕事への女性進出は特別なことではなく、女人禁制などという言葉は死語である。にもかかわらず、女性杜氏が名刺に肩書きを書かないのは、多くの酒造関係者の中に、女性蔑視の風潮が残っているからなのではなかろうか。それは、男にはわからない感覚であり、古くからある杜氏制度にも関わることかも知れない。かつては、杜氏という仕事は、男子が農閑期に酒蔵へ出稼ぎに行くという形態から始まり、酒造りは杜氏が担い、酒蔵経営は蔵元が担うという分業制度的形態が確立していたが、近代では、そうした出稼ぎの風習や分業制度が崩壊しつつあり、蔵元やその家族が杜氏を兼務するという傾向が強まっている。今いる女性杜氏もほとんどが、蔵元の子女で占められていることから、当事者達は、旧来の杜氏制度に対する「遠慮」を感じているのかも知れないが、今や、女性杜氏という職業は、社会的に認知されており、何も遠慮する必要は無い。酒造りを担っていながら、遠慮したり畏縮していたりしては、いい酒造りは出来ない。全国の女性杜氏には、遠慮せず、名刺に「杜氏」の肩書きを載せるよう進言したい。
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