吟醸酒の定義と純米吟醸酒を造らない酒蔵の造らない理由

  • 2011.11.27 Sunday
  • 10:08



石川県で代表銘柄「菊姫」を醸造している菊姫合資会社は、純米吟醸酒を造らない酒蔵として知られている。同社は、その理由を、同社発行の小冊子「加賀菊酒菊姫之記」に次のように記している。「吟醸酒における醸造アルコールの添加は、みろみ中の吟醸香を最大限に引き出し、後口のキレをよくすることを主な目的としている」、「このアルコール添加のタイミングやその量を決定することは、吟醸造りにおいて重要なポイントの一つとなっています」、「ここでの判断を誤ると、それまでの苦労が水の泡になってしまうことさえあります」、「吟醸酒では上品な吟味(ぎんあじ)を重視しています」と吟醸造りに取組む姿勢とポリシーを説明、純米酒については、「芳醇で豊かな味を追及している」と説明している。よって、同社では、「両者は、酒質的に相入れないと考えているので、純米吟醸を造ることは考えていません」と結んでいる。つまり、「吟醸酒と純米酒は、酒質的に違う酒であり、その中間的な酒質となる純米吟醸は造らない」という考え方である。これは、「吟醸と名の付く酒は、アルコールを添加することが原則」という考え方で、「アルコール添加をしない吟醸酒は存在しない」という論理である。「吟醸酒」の定義は、「60パーセント以下に精米した白米を原料とし、低温で発酵させて醸造した清酒」であり、「吟醸酒」には、醸造アルコールを添加する本醸造タイプ(吟醸酒と大吟醸酒)と醸造アルコールを添加しない純米タイプ(純米吟醸酒と純米大吟醸酒)がある。菊姫合資会社の考え方は、醸造アルコールを添加しない純米タイプの吟醸酒を認めないというもので、同社による「吟醸酒」の定義は、「60パーセント以下に精米した白米を原料とし、醸造アルコールを添加して低温で発酵させて醸造した清酒」となる。吟醸酒、純米吟醸酒、大吟醸酒、純米大吟醸酒の定義は、酒税法の「清酒の製法品質表示基準」で定められているが、酒税法が全て正しい訳ではない。菊姫合資会社の考え方は、理にかなっているところもあり、吟醸酒に対するこだわりは評価すべきものがある。こうした、菊姫合資会社の考え方を歪曲して解釈したある人物が、「日本酒がわかる本」という著書の中で、「純米吟醸酒は時代に迎合した酒」、「純米吟醸酒は、吟醸酒ではなく吟醸造りをした純米酒というのが正しい解釈」、「純米吟醸酒は、吟醸酒の中で最もレベルの低い酒」などと飛躍した持論を展開している。こんな本を読むとますます日本酒が分からなくなる。

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